英語を読めるようになる道のりーキンダー

英語と、日本語の読み書きを学んでいく上で違うことは、当たり前のことかもしれないが、英語は綴りと読み方の対応が複雑で、実際に言葉がしゃべれても、きちんと読んだり書いたりするのにはこつこつと勉強の積み重ねが必要だと言うことではないだろうか。日本語では、すくなくともひらがな50音を覚えれば、ひらがなでほとんどで書いてある一年生の教科書など、一人で一気に読めてしまう。しかし、英語は、基本的なアルファベット26文字の音を覚えたからといって、すらすら読めてしまう本など、ないわけである。もちろん、日本語では漢字を覚えないと高度な文章は読めないわけで、その部分が大変だけれど。

では、どうやって英語を読んだり書いたりするようにしていけるのか。

これには様々な方法が実は存在するのだけれど、最近はまずphonics(音声学)といって、とにかくアルファベットの基本の音を覚えさせていく。そして、自分が文を書いていく時は、最初は正しい綴りではなく、phonicsに合っていればよいとしておく。

娘の学校では、zoo-phonicsといって、AはAlly, Alligatorというように、動物とその名前を一致させて覚えさせる方法をとっていた。テープもあって、振り付けもある。皆でお遊戯のようにそれをやってこの段階をクリアしていく。

そして、簡単な文章の本や詩をたくさん読ませ、phonicsのパターンにも色々あり、様々な読み方がある、ということを学ばせていく。

簡単に言ってしまえば、それにつきるようだ。少なくとも娘の学校のアプローチはそんな感じである。

娘の学校では、キンダーの時から、皆で英文を一緒に読みながら読み方を覚えていこう、という姿勢が感じられた。

毎朝、少しずつ黒板に書いた簡単な文をみんなで読んだり(少し子どもが読めるようになってくると、先生はわざと間違えた綴りを黒板に書いたりしていた。おちゃめな先生である。子どもはこういうことをするとものすごく喜ぶ。)、すぐ覚えられるような薄い本を自分たちで作って、それを家に持って帰ったら子どもに読ませるようにしてください、と言われたり。それから、毎週新しいpoetryを習ってきた。季節や、その時のテーマにあった、子どもにも覚えやすい詩が毎週赤いフォルダーに入って家にやってきた。歌のように節をつけて毎日教室でも読み上げているものだし、面白いものも多かったので、娘も、喜んで暗誦していた。私は、こういう簡単な詩がたくさんあることにかなりびっくりした。だって、中学だか高校だかの英語で出てきたWordsworthの詩とかって、格調高いんでしょうけど面白いということはないでしょう。小学生が喜んで読む詩というのがあるんだねえ、と感慨深く思ったのだ。

そして、二学期以降になると、薄い、本当に簡単な文章の入った本を毎日持って帰ってきた。そして、それを家ですらすら読めるようになったら、封筒にサインをして、学校に持って行き、次の本を持って帰ってきて、また同じことの繰り返しをした。

基本的なphonicsはマスターしたものの、まだまだ新しい英語の文章をすらすら読めるレベルには達していない状態で一年生になった。

(つづく)