ようこ園

カリフォルニア州デービス在住の三児の母のブログ。

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Marina Horak氏のピアノ公開レッスンを見学

この土曜日、デービスを訪問している、ヨーロッパでは有名(らしいということを後で知った)なピアニストでピアノの先生のMarina Horak先生の公開レッスンがあり、娘と一緒に見学してきました。

いや、この先生、もしかしたら世界的に有名なのかもしれませんが、アメリカの先生はあまりご存じないような雰囲気なので・・・。

見学したレッスンは女の子ばかり5人のグループ。まだピアノを初めて数週間という子から、少し曲を弾けるという子まで。

いったいこれをどうやってまとめていくのだろうと思ってみていました。

初級者の彼女たちにこの先生が伝えたかったことは、結局、ピアノは、体全体を使って、リラックスして弾くんですよ、そのためにはピアノと遊んでいいんですよ、ということだったのかな、と私は受け止めました。

最初、どれぐらい弾けるのかを見るために1人ずつ弾いてもらわなければ始まらないでしょう。

でもまだ小さい、しかも緊張している子ども達をどうやって少しほぐすのか。

教育学でもワークショップでもよくice brakerというアクティビティが使われますが、彼女もそういうことをまずやっていました。小さいボールを子ども達に自分の名前を言いながら投げさせてみたり、擬態語・擬音語を出しながら投げるように言ったり。

それから弾ける曲を弾かせてみて、レベルをみて。

その後は、子ども達に、細かいこと、例えば手の形を矯正させることなどではなく、ピアノの鍵盤にもっと体の芯から触れさせ、リズムの大事さを感じさせることがテーマだったような気がします。

指でなく、手全体でピアノを皆で一斉に弾かせたり、(ピアノは三台ある会場だったので)子ども達にどんな動物に自分がなりたいか考えさせ、その描写もさせて、その動物をピアノで表すとどんな風になるか、やらせてみたり。例えば、猫だったら「ミヤーオ」と鳴くから、それを肘から指先までの腕を全部使って、高音から低音を鳴らして表したりとか。皆で腕を回したり、リズムに合わせて踊ったり。瞑想とか、想像力とか、そういうことに重点が置かれているようでした。

練習嫌いなうちの娘に、少しは刺激になるかなと思って連れて行きましたが、彼女にも結構面白かったようです。

家に帰って練習する前に、鍵盤をばしばしたたいていました。

私も、彼女にどうやってピアノにアプローチしてもらうか、どうサポートするのか、少しだけヒントのようなものをもらったような気がします。

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アメリカのピアノ一年生用のテキスト

日本で私がピアノを習っていた頃は、ピアノ一年生のテキストといえば「バイエル」に決まっていた。19世紀末に日本にアメリカから持ち込まれた教本と言うことらしい。歴史ある、日本ではちょっと前までは定番のテキストだった。

でも日本でも最近は、こんなふうに、バイエル以外の初級者用テキストもたくさん出ているらしい。

しかし、バイエルを持ち込んだというアメリカではバイエルなんてやっている人は多分いないのではないだろうか。とにかくたくさんの種類の初心者用テキストがアメリカにはある気がする。

娘もまだピアノを習い始めて半年ぐらいという初心者だが、先生の意向で、使っているテキストは既になんだかやけにたくさんある。

最初はPiano Solos Book1というのと、Donald WaxmanのThe New Pageants for Piano(Introductory)という二冊をやっていった。

pianosolos

thenewpagentsforpiano

どちらも片手ずつの短い曲が主体。四分音符とか、ト音記号とか、シャープとか四分休符などが少しずつ学んで行けるようになっている。楽譜の読み方も無理なく学べるように、というわけだ。

短いので、週一回のレッスンで3、4曲は進んで行ったと思う。

この二冊がほぼ同時に終わり、Waxmanの次のテキストも買ったのだが、今はその他にもテキストが3冊ある。

Everybody’s Perfect Masterpieces、The Joy of First Year Piano、そしてEasy Classical Piano Duetsというもの。

別に課題の量が増えた訳ではなく、最近はWaxmanはやらず、上の三冊すべてから一曲か二曲ずつ宿題が出るという感じだ。いずれにしてもアメリカでは先生によって使うテキストもバラバラだろうな、と思う。

everybodysperfectmasterpieces

thejoyoffirst-year-piano

easyclassicalpianoduets

自分がピアノ初心者だったのは遠い昔なので本当にあまりよく覚えていないのだが、右手と左手が違う動きをするのが最初はかなり難しいらしい。完璧主義というか、せっかちというか、悔しがりやの娘は、最初から右手と左手を合わせてうまく出来ないのがかなり不満らしく、最近新しい曲を練習するたびに泣いたりしている。最初の二冊のテキストは簡単だったんだろう。でも、そんな、できないから練習するんだけどねえ・・・。最近はすこおし、両手で弾く事に慣れて来たようだ。

Piano Duet(連弾)の本は、先生の伴奏が入るとなかなかドラマチックで美しい旋律の曲が入っている。生徒は基本的に両手で同じ音符を弾くだけなのでそれほど難しくない。

AmazonのReviewをみると、伴奏部分もたいして難しくない、と書いてあるが、私のように何十年もピアノを弾いていなかった人には結構大変な伴奏もある。特に、生徒の部分は簡単なので娘の弾くテンポが速かったりすると悲しいながらついていけない。でも、有り難い事に、下手な伴奏でも一緒に弾いてあげると嬉しそうにしているようだ。「おかーさんもれんしゅうしなくちゃねー。」といってごまかすしかない。まあ、先生ほどうまく弾けないけど、それは当然だと娘も思っているだろうから、一緒に生徒になっているみたいで嬉しいのかなと思う。

そうか、と今閃いた。娘に「ピアノの練習しなさい」とか「したら?」というのが嫌な時もある。そういう時は私が練習してたらいいのではないか、と。今だったら娘もつられて練習するかもしれない。今度やってみよう。

それにしても本当にこの年でピアノをまた弾くとは思っても見なかった。ある時から、ピアノは姉が弾くもので、私はバイオリンだったから。(こちらも練習する時間もない。やれやれ。)

娘は今「エリーゼのために」にちょっと憧れているらしい。日本で、体験入学をした時に全校音楽会に参加したけれど、仲良しになった4年生の女の子たちが演奏したのが、「エリーゼのために」をアレンジした曲だったのだ。そして、こちらでピアノの発表会を聞きに行ってみたら、「エリーゼのために」をアレンジした曲(全く別の曲だけれど)を弾いている男の子がいたのだ。だから印象に残っているのだろう。

別にピアニストや音楽家にしようとは親も思っていないし本人も思っていないだろうが、とりあえず憧れの曲が弾けるようになるぐらいまではがんばってみようか。

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娘のピアノの先生

新学期の始まる少し前、知り合いのつてを頼って娘のピアノの先生探しを開始した。

最初に電話をかけた、知り合いが習っている先生のところは、スケジュールがかなりいっぱいということでだめ。家の近所だったので、ちょっと期待していたんだけどもしょうがない。新学期になって、もう一度スケジュールが落ち着いたら電話してくれてみてもよい、といってくれたけれど、思いついて、他によい先生を知っているかを尋ねてみる。Sandra Brown先生はいいわよ、と即座に言われたので、その先生については全く知らなかったが電話してみる。結局、この先生も結構スケジュールが満杯らしかったが、金曜日の四時半だったら空いている、と言ってくれ、とりあえずお会いしてみることに。

娘は張り切って、なぜかぬいぐるみのうさぎ(日本で斜め向かいのおねーちゃんにもらったもの)を持っていった。それを抱えて玄関のドアをピンポーンとやったら、「ワンワンワンワンワン!」と興奮した犬たちの声が。なんと、彼らは日常的に娘がかかえているようなぬいぐるみをおもちゃとしてたくさん与えられ、くわえて遊んでいたのだ。娘がうさぎを抱えているのを見て、自分たちと遊んでくれると思ったらしい。

先生は「それ本物?じゃない?あーよかった。」といっている。

いやあ、犬が二匹もいるとは知りませんでした。

先生は、電話越しにも明るくて楽しそうな雰囲気の人だったが、会ってみてもやっぱりそのまんま。よくしゃべるしゃべる。そして褒めるのがうまそうだ。娘のちょっとしたことに気づいて反応してくれそうな感じ。

自分にはもう成人した息子が二人いるそうで、私の娘ぐらいの女の子はかわいくて仕方がない、といった風情。

面白いな、と思ったのは、ピアノの鍵盤に親しませるため、最初に白鍵を数えさせたり、黒鍵を数えさせたり、目を閉じて黒鍵2つを全オクターブで拾わせていったり、黒鍵三つを同じように目を閉じて触らせていく、というようなことをやらせていたこと。私がピアノを習ったときは多分そんなことは全くやらなかったように思う。

基本的には、レッスンでは、とても簡単な短い曲を2、3曲ずつ毎週練習するように言われ、それを弾いてみる。そして、毎回のようにテープに録音していく。この時も、「ピアノの国の人たちに聞かせるために録るのよ。」ということで、先生はなりきって、”Hello people in Piano Land!”などとアナウンスしてくれるのだ。後で聞くと進歩のほどがわかるということだろうか。

しかし、簡単な曲といっても、実は、先生の伴奏がつけられる、二重奏曲である、という本も使っているのがうまい。先生の伴奏がつくと、娘の部分は簡単なメロディーでも、音が広がってドラマチックな曲になるのだ。

楽譜の読み方も少しずつレッスンでやっていく。こちらではドレミではなくABCで音符の読み方はやっていくそうだが、AはAlligator、BはBear、というように動物の名前などを使って、「さあ、この楽譜の中のalligatorを全部探してみよう!」というように娘ぐらいの子どもがとっつきやすいようなやり方で指導してくれる。

鍵盤を押すときの指の形は、日本では、というか私が習ったときには卵を持つようにふんわり丸く、だったと思うが、この先生のところでは「うさぎさんのおうち」だそうだ。うさぎさんがつぶれないように、そして中から少し外がのぞけるように、ふんわり丸い家をつくってあげて、というわけだ。

娘はサンドラ先生がすっかり気に入っている。

娘が持っていったミルキーを「すっごくおいしい!キャンディー大好きなのよー」と食べてくれたので、たまたま買い物で目に付いたので一袋持って行ってあげたら大喜びしてくれた。今日は娘がニコニコしている先生の似顔絵を描いていったらこれまた大喜びで、なんとピアノに貼ってくれた。

レッスンが100回終わったら、アイスクリームを食べに連れて行ってくれるそうである。うーん、さすがアメリカ。

というわけで娘は今のところ楽しくレッスンに通っている。