別れの季節

先週の金曜日は娘にとってとても悲しい日だった。

大の親友とのお別れの日だったのだ。

彼女の親友は、Davisに6ヶ月だけ滞在していた、台湾からの研究者一家の一人っ子の女の子Graceだった。台湾の大学を離れて、ここに来る前には3ヶ月だけ京都にも滞在していたそうだ。

台湾には親日家の人も多いらしいが、日本に滞在していたから親近感もあったのだろう、偶然秋の新学期から同じクラスになった二人はすぐに仲良しになった。Graceは台湾では英語と中国語のバイリンガル学校に通っているとかで、突然アメリカの学校に入った割には英語でのコミュニケーションに苦労する事もあまりなかったようだ。

それでも、たった6ヶ月でお別れになるのだから、そんなに親しくならないでもいいんだけどなあ、と勝手ながら思っていた事もあった。けれど親のそんな心配はよそに、二人はどんどん仲良くなってしまった。

台湾の学校にいずれ戻るので、中国語の教科書やワークブックも持って来て勉強していた。だから、補習校の宿題のある娘の状況も理解し、遊びにくる時に一緒に英語以外の宿題を並んでやってから遊んだりしてくれてその点では助かっていた。

娘が初めてのお泊まりを経験したのもGraceとだ。うちにも一回泊まりに来てもらった。

向こうは一人っ子なので、かえって助かると言って娘が遊びに行くのは大歓迎だった。

娘の誕生日会にも来てもらって、Graceの家でのお別れパーティ(娘と息子だけが参加した)もやって、最後のplay dateもやって、お別れの日の金曜日がやってきた。

下校時刻、いつもと同じように並んで二人揃って教室から出て歩いてくる二人。

いつもとほとんど変わりない別れの挨拶。

でも、家に着いて「おかあさん・・・」という娘の目には涙がたまっていた。

あーだめ。

こういうの、私弱いんです。

こっちが泣いてしまう。

でもなんとか「台湾に遊びに行こうね。」といって慰める。(いつになるかはわからないけど)

正直、Graceは他のお友達が娘との間に入ってくるのを嫌がって、ちょっと大変だったこともあったのだけれど、やっぱり別れとなるとつらい。いくらスカイプやメールがあるといっても。

そして月曜日。

お迎えに行くと、娘は別のクラスメートの仲良しの女の子と並んで出てきた。

なんだかほっとする私。

時々やっぱり寂しそうなこともあるけれど、それ以降は立派に立ち直っているよう。やっぱり小さい頃は立ち直りも早い。

すくなくとも今はそういう風に見える。