アメリカのピアノ一年生用のテキスト

日本で私がピアノを習っていた頃は、ピアノ一年生のテキストといえば「バイエル」に決まっていた。19世紀末に日本にアメリカから持ち込まれた教本と言うことらしい。歴史ある、日本ではちょっと前までは定番のテキストだった。

でも日本でも最近は、こんなふうに、バイエル以外の初級者用テキストもたくさん出ているらしい。

しかし、バイエルを持ち込んだというアメリカではバイエルなんてやっている人は多分いないのではないだろうか。とにかくたくさんの種類の初心者用テキストがアメリカにはある気がする。

娘もまだピアノを習い始めて半年ぐらいという初心者だが、先生の意向で、使っているテキストは既になんだかやけにたくさんある。

最初はPiano Solos Book1というのと、Donald WaxmanのThe New Pageants for Piano(Introductory)という二冊をやっていった。

pianosolos

thenewpagentsforpiano

どちらも片手ずつの短い曲が主体。四分音符とか、ト音記号とか、シャープとか四分休符などが少しずつ学んで行けるようになっている。楽譜の読み方も無理なく学べるように、というわけだ。

短いので、週一回のレッスンで3、4曲は進んで行ったと思う。

この二冊がほぼ同時に終わり、Waxmanの次のテキストも買ったのだが、今はその他にもテキストが3冊ある。

Everybody’s Perfect Masterpieces、The Joy of First Year Piano、そしてEasy Classical Piano Duetsというもの。

別に課題の量が増えた訳ではなく、最近はWaxmanはやらず、上の三冊すべてから一曲か二曲ずつ宿題が出るという感じだ。いずれにしてもアメリカでは先生によって使うテキストもバラバラだろうな、と思う。

everybodysperfectmasterpieces

thejoyoffirst-year-piano

easyclassicalpianoduets

自分がピアノ初心者だったのは遠い昔なので本当にあまりよく覚えていないのだが、右手と左手が違う動きをするのが最初はかなり難しいらしい。完璧主義というか、せっかちというか、悔しがりやの娘は、最初から右手と左手を合わせてうまく出来ないのがかなり不満らしく、最近新しい曲を練習するたびに泣いたりしている。最初の二冊のテキストは簡単だったんだろう。でも、そんな、できないから練習するんだけどねえ・・・。最近はすこおし、両手で弾く事に慣れて来たようだ。

Piano Duet(連弾)の本は、先生の伴奏が入るとなかなかドラマチックで美しい旋律の曲が入っている。生徒は基本的に両手で同じ音符を弾くだけなのでそれほど難しくない。

AmazonのReviewをみると、伴奏部分もたいして難しくない、と書いてあるが、私のように何十年もピアノを弾いていなかった人には結構大変な伴奏もある。特に、生徒の部分は簡単なので娘の弾くテンポが速かったりすると悲しいながらついていけない。でも、有り難い事に、下手な伴奏でも一緒に弾いてあげると嬉しそうにしているようだ。「おかーさんもれんしゅうしなくちゃねー。」といってごまかすしかない。まあ、先生ほどうまく弾けないけど、それは当然だと娘も思っているだろうから、一緒に生徒になっているみたいで嬉しいのかなと思う。

そうか、と今閃いた。娘に「ピアノの練習しなさい」とか「したら?」というのが嫌な時もある。そういう時は私が練習してたらいいのではないか、と。今だったら娘もつられて練習するかもしれない。今度やってみよう。

それにしても本当にこの年でピアノをまた弾くとは思っても見なかった。ある時から、ピアノは姉が弾くもので、私はバイオリンだったから。(こちらも練習する時間もない。やれやれ。)

娘は今「エリーゼのために」にちょっと憧れているらしい。日本で、体験入学をした時に全校音楽会に参加したけれど、仲良しになった4年生の女の子たちが演奏したのが、「エリーゼのために」をアレンジした曲だったのだ。そして、こちらでピアノの発表会を聞きに行ってみたら、「エリーゼのために」をアレンジした曲(全く別の曲だけれど)を弾いている男の子がいたのだ。だから印象に残っているのだろう。

別にピアニストや音楽家にしようとは親も思っていないし本人も思っていないだろうが、とりあえず憧れの曲が弾けるようになるぐらいまではがんばってみようか。