夢から覚めるお年頃
デービスは夏休みも残す所後二週間。まだ太陽がさんさんとまぶしく痛いほどの暑い日が続いている。
それなのに、我が家の子ども達の間ではサンタさんに頼むものの協議が活発に行われている。
ちょっと前まで、上の娘は「何を頼むかわからなーい」状態だった。
彼女はだいたい毎年、クリスマス直前まで欲しいものが決まらないことが多い。
その後、「おジャ魔女どれみ」(うちの子ども達の間でヒット中の、ちょっと古いアニメ)の変身するための道具になった。
「そんなもの、サンタさん持ってこられるかなあ??」と思わず反応した私。
もう何年も前に放送が終わったアニメだから、そのおもちゃなんて現在どこでも売られていないので困るのだ。
すると娘は言ったものだ。
「ママ、サンタさんのおもちゃは小人さん達が作るんでしょ!だからだいじょーぶ!」
うーん、そうだったっけね・・・。ママ、知らなかったわー。
しかし、しばらくしてまたリクエストは変わった。(これがよく変わるのだ)
次はなんとやはりまた「おジャ魔女どれみ」の、パティシエ服だそうだ。
ひえー。
確かに「おジャ魔女どれみ」、面白いもんね。
そこで私はまじめにヤフオクなどをチェックしてしまった。
中古品なら時々オークションに出ているようだ。
でも、私がチェックしたときは「身長100㎝」用が売りに出ていた。
それって、つまり、そんなドレスアップに興味があるのは普通もっと小さい子だってこと?
確かに・・・ありえます、ありえます。
上の娘は案外幼児向けの番組やおもちゃが好きだったりするのだ。
それ以外だと・・・、大人のコスプレ用があるみたい!
自作している人もいるようだ・・・。私が作らなきゃいけないのでしょうか???
小人さんになりかわって・・・。
うーむ。
一方息子は最初は単純だった。
ZOOBという、彼の大好きな組み立て系おもちゃ。
これのたくさん入った、巨大な箱をサンタさんにお願いしたいという。
なぜなら、今ある分でこれまで自分で色々作ったものをバラしたくないから。
(この人に片付けを教えるのはなかなか大変そうですよ)
でも、その後やっぱり変更。
お店に行って、最近同じような年の男の子達の間ではやっているBakuganというのを自分が持っていないことに気づいた息子。
やっぱりそれをお願いしようかなー、などという。
その後、夏休みで姉弟で遊ぶことが多いこのごろ、また欲しいものが変わって来た。
姉がサンタさんにBakuganをお願いして、弟はシンケンジャーのカジキ折神をお願いするのだが、どっちも二人のものとするのだそうだ。
ここにきて、おもちゃをシェアすることが得であると分かって来たってことでしょうか?
まあ、シンケンジャーぐらいだったら何とかなりそうだからよしとしようか・・・。
もちろん、また欲しいものは変わるでしょう。
それにしても、姉、ちょっとサンタさんに疑問を持ち始めてもいるようだ。
それは、弟が「サンタ・クロース」って何語なのか、と言い出した時。
なかなか鋭い質問だ。
確か、聖ニコラスだったかなー、でもクロースって何語なのか、すぐには答えられなかった私。
(ギリシャ語のニコラスがオランダ語になるとクロースという説があるらしいです)
そこから会話はサンタさんの言語能力に及ぶ。
サンタさんは何語を話すのか。
うちの子達は一応バイリンガル(まだ発展途上ですが)。世界中の子ども達にプレゼントを届けるサンタさんはいったい何カ国語できるのかと。
自分たち以上に語学ができて当然だろうと思ったようだ。
何カ国語もできるのかもね、ということで納得。
じゃあ、手紙は日本語で書く!と言っている。
(うーん、英語で書いたら、返事が来るかもしれないんだけどねー。日本語ではそういうシステム?はないですよね?)
その時、姉、「ひょっとして、サンタさんって・・・おとうさん??」といきなり核心を突く質問。
「だって歌にあるでしょ。ママがサンタにキスしたって。そのサンタはおとうさんだったんだよ。」
なるほどー。
「サンタに変装するおとうさんもいるかもねえ。」とかわす私。
内心焦ってます。
この時わかった。
やっぱり、彼女もちょっと疑問に思い始めているんだな、と。
もう小学三年生だもんね。
世界中の子どもにおもちゃを一晩で配れる、しかも欲しいものを持って来てくれるなんてなんだか不思議、と。
でも、信じたいんだな、と。
だからTooth Fairyにも手紙を書いたし、サンタさんにも手紙を書きたいんだ。
ママも信じたいです。
でも、とも思う。
手紙の返事をもらっても、実は本当はわかっているのかもしれない、と。
もう夢からは覚めているのかもしれない。
もちろん返事が来たら喜ぶだろう。
でも、それでも「何か変だな」という思いは残るだろう。
思わなかったらかえって変だ。
私もサンタに手紙を書き、返事をもらったけれど(もちろん日本語で)、そしてとても喜んだことも覚えているけれど、それでもやっぱり心のどこかでそれは変だと思っていたような気がする。
だから、たとえ夢がいつ壊れても、大丈夫なように、親は子どもをどーんと受け止めてやれるように心構えをしておかなければいけないんだろうな、と思う。
夢が永遠に覚めないことなんてないんだから。
我が家の長女さんは、案外繊細な所があるから、親としても気を付けなくては。
それから、夢から覚めた姉が、弟や妹達も無理矢理夢から覚ましてしまわないようにだけは注意しないといけないかも。
最近のコメント