ようこ園

カリフォルニア州デービス在住の三児の母のブログ。

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子どもが英語を読めるようになるために必要なことー理論編

以前、「英語が読めるようになるまでの道のり」という題で、娘がキンダー及び一年生を通して学校でどのように英語を読む事を習ってきたかについて書いた。今、二年生があと数ヶ月で終わるという時期だが、この一年間も前の年の一年生の時と大体同じような勉強を学校ではやってきたようだ。

宿題は単語(スペリング)の練習のようなもの(「英語が読めるようになるまでの道のりー一年生」)と同じものを続けた。それ以外にはとにかく毎日15分本を読むことが課された。本は何でも良いとの事。娘は簡単なChapter Bookとよばれる、薄い本(ペーパーバック)や、絵本を自分で読んでいた。

英文読解を学校でやると、英語の熟語というか言い回しや単語がわかっていないところがどうしてもあるので、満点にはならないが、理解力はちゃんとついてきているらしい。

DPNSのペアレント・クラスで、ある晩、娘の学校の一年生担当の先生が講師に招かれ、小さい子どもがどのように英語を読めるようになるのか、そして親はどうやってそれをサポートしたらよいのか、という話を聞く事が出来た。

彼女によると、文(英文)を読むために必要な技術・能力というものを考える際に有効な考え方に、以下のものがあるという。そもそも文を読むという作業は何をすることか。

それは文章という記号を解読(Decoding)し、理解(Comprehension)することである。

読解のために必要なのは、単語を認識できること(Word Recognition)、単語や文を見てすらすらと理解できること(Fluency)である。

そして英語の単語の認識に必要なのは、

Concepts of print
・・・文字、単語、文章が印刷してあるということが理解できる。

Phonics
・・・フォニックス、英語の文字がどういう組み合わせだとどういう発音になるかの基本を知っている。

Phonemic Awareness
・・・音素を認識できる。つまり、単語は一つ一つ違う音が組み合わさってできているものであり、一つが違うと違う意味になったりするという事がわかる。英語では、どこで単語が切れるのか、どの単語と単語が韻を踏むのか、などが分かることが音素の認識につながる。だからプレスクールや低学年では繰り返しのある本や、Nursery Rhymeが重要視される。

そして流暢さに不可欠なのが、

Sight Words
・・・英語で日常的に使われる最も基本的な200位の単語。Dolch Word Listとも呼ばれる。the, they, it, was, whyなど。必ずしもフォニックスの原則に従わないので、覚えるしかないものも多い。

Automaticity
・・・以上のことをいちいち考えずに瞬間的に処理できる能力。

であるという。

更に、文章は解読できるだけでなく、理解できなければならない。それに必要なのは、Academic Language(日常会話で使うような言語ではなく、知識を学ぶための言語。書き言葉に近い?)であり、Comprehension Strategies(理解するための戦略)であるという。

Academic Languageを獲得するために必要なのは、

Background Knowledge
・・・背景となる知識

Vocabulary
・・・語彙

であり、Comprehension Strategiesを発達させるために必要なことは、

Syntax
・・・統語論などと訳されるが、ようするに英語の文の構造がわかっていること。主語がどこにきて、後からどういう風に付け足せば文になるのか分かっているということ。

Comprehension Monitoring
・・・子どもが自分で内容を理解できているか補助してやることが必要。もしわからなくなっていたら、どこでわからなくなったのか、一緒に考えてやったりすることが必要。

Reorganizing Text
・・・一まとまりの文章の順序を入れ替えて、並べ替えさせてみる。

であるという。

でも、多分、一番大事なのは、以上のことを表にした時、一番上に来る項目があって、それは「動機」だということだろう。講師の先生も、だから楽しみながらやれるようにしなくては意味がない、と強調していた。

最近のアメリカでの小学校低学年までの英語の習得のためのカリキュラムは、多分このような理論にすべて基づいていると思う。似たようなことを書いてあるサイトはすぐに見つかる。

日本でも「フォニックス」が大事という考え方は随分英語教室などでは普及しているらしい。

アメリカのキンダーや一年生では、Decoding主体、一二年生になるとComprehension主体の英語の学習をほぼ毎日やっているような感じだろう。しかし、この傾向はせいぜいここ10年位のものだ。

こういうやり方が本当に最善なのかは疑問も多々ある。

そういうことを考えさせられるミーティングにも最近参加した。それについてはまた今度。

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アメリカのピアノ一年生用のテキスト

日本で私がピアノを習っていた頃は、ピアノ一年生のテキストといえば「バイエル」に決まっていた。19世紀末に日本にアメリカから持ち込まれた教本と言うことらしい。歴史ある、日本ではちょっと前までは定番のテキストだった。

でも日本でも最近は、こんなふうに、バイエル以外の初級者用テキストもたくさん出ているらしい。

しかし、バイエルを持ち込んだというアメリカではバイエルなんてやっている人は多分いないのではないだろうか。とにかくたくさんの種類の初心者用テキストがアメリカにはある気がする。

娘もまだピアノを習い始めて半年ぐらいという初心者だが、先生の意向で、使っているテキストは既になんだかやけにたくさんある。

最初はPiano Solos Book1というのと、Donald WaxmanのThe New Pageants for Piano(Introductory)という二冊をやっていった。

pianosolos

thenewpagentsforpiano

どちらも片手ずつの短い曲が主体。四分音符とか、ト音記号とか、シャープとか四分休符などが少しずつ学んで行けるようになっている。楽譜の読み方も無理なく学べるように、というわけだ。

短いので、週一回のレッスンで3、4曲は進んで行ったと思う。

この二冊がほぼ同時に終わり、Waxmanの次のテキストも買ったのだが、今はその他にもテキストが3冊ある。

Everybody’s Perfect Masterpieces、The Joy of First Year Piano、そしてEasy Classical Piano Duetsというもの。

別に課題の量が増えた訳ではなく、最近はWaxmanはやらず、上の三冊すべてから一曲か二曲ずつ宿題が出るという感じだ。いずれにしてもアメリカでは先生によって使うテキストもバラバラだろうな、と思う。

everybodysperfectmasterpieces

thejoyoffirst-year-piano

easyclassicalpianoduets

自分がピアノ初心者だったのは遠い昔なので本当にあまりよく覚えていないのだが、右手と左手が違う動きをするのが最初はかなり難しいらしい。完璧主義というか、せっかちというか、悔しがりやの娘は、最初から右手と左手を合わせてうまく出来ないのがかなり不満らしく、最近新しい曲を練習するたびに泣いたりしている。最初の二冊のテキストは簡単だったんだろう。でも、そんな、できないから練習するんだけどねえ・・・。最近はすこおし、両手で弾く事に慣れて来たようだ。

Piano Duet(連弾)の本は、先生の伴奏が入るとなかなかドラマチックで美しい旋律の曲が入っている。生徒は基本的に両手で同じ音符を弾くだけなのでそれほど難しくない。

AmazonのReviewをみると、伴奏部分もたいして難しくない、と書いてあるが、私のように何十年もピアノを弾いていなかった人には結構大変な伴奏もある。特に、生徒の部分は簡単なので娘の弾くテンポが速かったりすると悲しいながらついていけない。でも、有り難い事に、下手な伴奏でも一緒に弾いてあげると嬉しそうにしているようだ。「おかーさんもれんしゅうしなくちゃねー。」といってごまかすしかない。まあ、先生ほどうまく弾けないけど、それは当然だと娘も思っているだろうから、一緒に生徒になっているみたいで嬉しいのかなと思う。

そうか、と今閃いた。娘に「ピアノの練習しなさい」とか「したら?」というのが嫌な時もある。そういう時は私が練習してたらいいのではないか、と。今だったら娘もつられて練習するかもしれない。今度やってみよう。

それにしても本当にこの年でピアノをまた弾くとは思っても見なかった。ある時から、ピアノは姉が弾くもので、私はバイオリンだったから。(こちらも練習する時間もない。やれやれ。)

娘は今「エリーゼのために」にちょっと憧れているらしい。日本で、体験入学をした時に全校音楽会に参加したけれど、仲良しになった4年生の女の子たちが演奏したのが、「エリーゼのために」をアレンジした曲だったのだ。そして、こちらでピアノの発表会を聞きに行ってみたら、「エリーゼのために」をアレンジした曲(全く別の曲だけれど)を弾いている男の子がいたのだ。だから印象に残っているのだろう。

別にピアニストや音楽家にしようとは親も思っていないし本人も思っていないだろうが、とりあえず憧れの曲が弾けるようになるぐらいまではがんばってみようか。

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プレスクールで読む本(4・5歳児向け)

息子の通うDPNSでは、親が手伝いに入る日、絵本を2、3冊持って行かなければならない。

手伝いに入る親達が、スナックのとき子ども5人ぐらいの座れる丸テーブルを一つ担当して、子ども達の世話をするのだが、その時、絵本を必ず読んであげることになっているからだ。

最初のうちはこの時間が大変苦手だった。

家で、私は英語の絵本はほとんど読んでやらない。本当は日本語と両方読んでやろうと思うのだが、大抵日本語だけで時間切れになってしまう。

子ども向けだからと思っていると、絵本には案外、学校英語で学んで来たものにはなじみのない英単語がたくさん入っていたりする。

でも、最近はだいぶどんな本がよいのか分かって来た。いや、別にどんな本でも、毎日の習慣になっていると、プレスクールの年齢の子でも、スナックの時には本を読んでもらうものだと理解している子が大半なので、いやがるということはない。だけど、どうせなら楽しめる本がいい。

最近のヒットは、”Timothy and the Strong Pajamas.”  ぼろぼろだけどお気に入りのパジャマを手放したくない子どもが、お母さんに新しいのを買うんじゃなくて、直して、と頼む。お母さんが一生懸命つぎはぎしてくれたパジャマは、なんと、その子どもをスーパーマンのような力持ちにしてしまうが・・・というお話。息子のお友達は、次の週のスナックの時にもこの本を読んで、と頼んできた。絵もストーリーもほのぼのとしている。アメリカの絵本は、絵がどうも私好みではないものも多いのだが、これは大丈夫。

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それから、息子が、プレスクールの帰り道に、「今日、○○のおかーさんがね、よんでくれたほんがね、おもしろかったんだよー」と笑いながら教えてくれた本。それは”No, David!”という本。かなり有名な本で、私も既にどこかで見たことがあった。いたずらっこのDavid、絵本のどのページにも何かいたずらしてはお母さんにNO!といわれている。息子が喜んでいたのは、裸で道に飛び出してしまった絵のところ。まあ、私がこの本をスナックテーブルで読もうとはあまり思わないけれど、あんまりにも息子が喜んでいるので図書館で見つけてシリーズで借りてあげた。息子にも読めるぐらい、簡単な英語しかかかれていないので、本に親しむためにはまあ、いいかも?

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それから、英語のよい絵本の原則に、繰り返しが多い、という特徴があげられる事がある。季節ものだけれど、”Run, Turkey, Run”という本は、繰り返しがリズミカルで私も読みやすく、子ども達も面白がっていた本だった。

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繰り返しと言えば、”We are Going on a Bear Hunt.”  本当に同じフレーズばかりが出てくるが、うまくストーリーが展開していく、秀作。プレスクールで先生がサークルタイムに読んでいたのを聞いて、なるほど、いい絵本だ、と感心した。

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ちなみに、息子が今一番好きな日本語のお話はやっぱり「いやいやえん」かな。保育園が舞台で、いたずらっこが主人公だから、惹かれない訳がない。おおかみが、真っ黒なしげるをみて、あせってお風呂に入れようとしたりしているところがとっても好きみたいだ。